2025年2月13日、オープンワーク(5139)は24年12月期の本決算を発表した。
24年12月期の業績は上揺れしたが、ほぼ想定通りの着地。3Qまでの数字は絶好調だったが、4Qは売上が前四半期3Qに比べて減少した。2Qよりも低い数字。
転職市場は年間を通してそれほどの季節性はないが、11月12月は例年転職者が減ることが知られている。4Q単独のリクルーティングサービス売上が減少しているのは想定内。
問題は25年12月期の予想。
売上が24年12月期の35億から、25年12月期は45億へと27%も増加すると予想している。四季報予想にくらべて大幅な増加。
主事業のリクルーティングサービスは31%の売上成長を見込む。実際、前期4Qは売上こそ減少しているものの契約社数は順調に増えていて、今期25年は大幅に伸びると自信があるのだろう。
さらにポイントは、プライシングモデルの変更を予定していること。現状は1件成功報酬80万だが、このプライシングでは成長が限られているのは間違いない。
しかし、プライシングの変更はギャンブル的な要素があって、失敗すれば顧客離れと売上減をもたらす。まあ、経営陣の優秀さから想像するに、データ的な裏付けをとってやるだろうから、ヘタは打たないと期待したい。
他にも、新卒向けエージェントサービスを立ち上げるという。口コミに敏感な大学生を補足する狙い。
コスト面では、大幅な先行投資を予定している。営業を中心に50名の人員増。業務委託費も増える。営業費用が8億以上も増えるので、今期の営業利益は前期とほぼ横ばい。10億から11億への上昇。
現状の株価は900円程度。オープンワークは拡大期に入ったので、今年の株価は上昇トレンドを描くと予想できる。
懸念事項があるとすれば
売上予想がやや強気すぎないかという懸念。求人業界は景気動向を受けやすく、競争も激しい。
営業利益が前期比でわずかなプラス予想なので、かりに売上予想にたいして実績が少し下揺れた場合、営業利益は前期比ですぐに「減益」となる。
「減益」という結果が出たときの株価のマイナスインパクトが気になる。
もう一つの懸念事項。これはワンキャリアにも言えることだが、成長が続くことが前提になっていてすでに割高なこと。
求人業界はもともとPER10倍程度であることに注意が必要。ネット求人の有望株であるオープンワークやワンキャリアは将来の成長を期待されていて割高になっている。
このまま成長が続けば株価も上がっていくが、成長に不信感をもたれたときのマイナスインパクトは大きいはず。
ディップが良い例だが、成長期には軽くテンバガーを達成する一方で、いったん成長株の枠から外れると業績は良くてもPER10倍へと向かっていく。結果的に10年間横ばいということになるので、下手な長期保有はできない業界。
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