kubell(4448)が2024年12月期3Q決算を発表してから、株価は一段高となっている。450円程度から急騰して、1ヶ月たった現在でも650円程度で推移している。
3Qの決算発表でポジティブインパクトとなったのは、chatwork課金IDの純増数が上昇していること。直近10月の純増数が7500以上に増加した。(※注:10月から12月は4Qに該当)
→ kubell 2024年12月期3Q決算説明資料(PDF)
言うまでもなく、kubellの売上・利益に直結するのは、chatworkの課金ID数。この数字がすべてといってもいい。
10月における課金IDの獲得数は上昇し、解約数は下降。純増数が急増している。今年6月には純増2500を割り込んでいたので、力強い上昇トレンドとなっている。
今年8月に実施したフリープラン利用制限強化によって課金ID獲得数が上昇傾向。そして興味深いのは解約数が減少トレンドとなったこと。
近年のkubellの状況を整理する。
2022年12月期:課金IDの前年比純増は20%程度。(プラン改定によってフリープランから有料プランへの移行が急激に進んだ)
2023年12月期:課金IDの前年比純増は10%程度。(7月に値上げして純増数は低下)
2024年12月期(3Q):課金IDの前年比純増は6%程度。(値上げによって解約数が増え、純増数が低下した)
今期2024年12月期は、昨年7月に実施した値上げによって単価(ARPU)が増加したから、売上自体は好調。
しかし、値上げによる売上増加は一時的なものであり、来期以降の業績がさらに成長するかどうかは、課金IDの純増数がすべてとなる。
3Q決算発表まで、純増数が低下していたことで、株価は400円~500円の底値圏をはっていた。いくら今期の業績が良くても関係なし。株は先を読むから、課金IDの伸び率こそすべて。
で、3Qの決算説明資料で、純増数の急激な上昇をみてとって、株価も上昇した。
課金IDが平均で月7500ずつ増えると仮定すると、年間で9万IDの増加となる。3Q末の課金ID数は76万なので、年間12%のID増加。これはSaaS事業においては成長企業といえる。営業利益は損益分岐点を超えたので、かなり大きな利益成長を維持できる。
課金IDの純増月7000を維持できれば、年間10%以上の課金ID数増加となる。月平均7000を維持できるかどうか。このポイントが、来年2025年の株価を決めるはず。
月次での開示はないので、四半期決算で確認するしかない。
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